情報理工学系研究科 教授
萩谷昌己
社会の各所において人工知能人材が求められています。経産省の調査によれば、現状の約10万人に対して、新たに2万人程度の人材が必要とされています。一方、RU11に限定した調査ですが、人工知能分野の修士課程修了者は年間900人弱にとどまっています。したがって、大学教育の拡充とともに、社会人教育の必要性が強く認識されています。さらに、人工知能技術には特に他分野との融合が期待されており、情報学を専門としない人材への教育の重要性も認識されています。
本講座は、以上のような背景のもと、人工知能技術の応用を期待される社会人を対象として設計されました。大阪大学が大学院レベルの講座を提供するのに対して、東京大学では、より裾野を広くして学部レベルの基礎的な講座を提供いたします。
CS(コンピュータサイエンス)は人工知能の基礎です。人工知能のアプリケーションが多彩になっていますが、その技術基盤であるCSの知識とスキルは、アプリケーションを活用・拡張するためにも必須です。本講座では人工知能の講義に先立って、プレースメントテストにより受講者のCSの知識とスキルを測り、必要に応じて補講を行います。
本講座を通して、社会の様々な分野において人工知能人材が広まることを願っています。本講座が今後の同種の講座の先導的な役割を担えるよう、努力して参ります。